*熊本、鳥取地震後の再噴火
2013年11月20日、およそ40年ぶりに西之島の噴火がはじまった。
溶岩はもともとあった旧西ノ島を飲み込んで、拡大を続けていった。
ふつう、火山は噴火しても、数日から数週間で終わってしまうのに、西之島は2年ものあいだマグマを流していった。海底火山が、一度にこれほどの量の溶岩を噴き出し続けた例は過去になく、火山の常識をくつがえす島となっている。
1年5カ月ぶりに噴火した西之島=21日 朝日新聞社
西之島の活発な活動に歩調を合わせるように、各地で火山噴火などが続いた。
2014年8月に口永良部島(鹿児島県)が34年ぶり噴火、9月には御嶽山が噴火。
2015年5月には、口永良部島(鹿児島)で爆発的噴火があり、翌日に、小笠原諸島西方沖 M8.1 震源の深さ682kmという記録的な大深発地震が発生した。
箱根山、桜島、阿蘇山なども活発化、噴火警戒レベルも軒並み引き上げとなった。
噴火から約2年たった2015年11月頃に、いったん西之島のマグマ活動は休止した。
しかし、普賢岳のように、むしろ火山活動が止まったあとが懸念される前例もあった。
11月の九州薩摩半島西方沖 M7を合図にするかのように、翌年の4月に震度7を2回記録した熊本地震、10月には鳥取中部地震、11月に福島沖 M7.4などが発生した。
そして、2017年4月20日、西之島(東京都小笠原村)は、1年5ヶ月ぶりに再噴火した。
高さ約100メートルまで飛ぶ火山弾や、海の近くまで流れた溶岩が確認され、東大地震研究所の中田節也教授(火山学)は「活発だった2014年に近い活動レベル」と指摘している。
*フォトジェニックな西之島
西之島は、東京から南に1000km、父島・母島の西130km沖にある、小さな小さな無人島。
丸2日かけて、船でしかたどり着けない。
2017年6月の朝日デジタルに、夕闇のなか、赤く輝く溶岩を噴き上げる西之島の写真が掲載されている。
写真家の三好和義氏が、再噴火した西之島を客船「にっぽん丸」の船上から撮影したもの。
7月21日、ひゅうが1等海佐の撮影した早朝の朝焼けの西之島と噴煙のスモークリング。
ラインがゆったりとひろがった西之島のシルエット。
島をふち取る波の白、ウルトラマリン、グリーン、イエローオーカー、パープル・・・
色の波長を突き抜けたような、こういうブルーやグリーンがあるんだと思う、濃い透明な色彩に驚くばかり、、。
sp.hazardlab.jp
再噴火後の西之島は、7月ごろから地表熱が徐々に低下し、8月の観測では、溶岩の海への流入は止まり、火山灰や噴石の噴出も確認されなかったとのこと。
西之島は再び活動休止に入ったとみられている。