なぜ、サメやシャチ? 海面水温と海中生物の電磁気センサー

3番目に高かった海面水温

2015年は8月に入って、茨城、静岡、千葉、神奈川などでサメが目撃されて、海水浴場が一時遊泳禁止になるなどしています。

サメが目撃された理由のひとつに、海面水温の上昇があるようです。

「黒潮親潮ウォッチ」美山透さんの記事によりますと 
海も猛暑!(2016年8月) – 黒潮親潮ウォッチ

日本周辺では天気が良く、暑い日が続いたため、海面温度も上昇。
下段の8月8日の海面水温の平年との差を見ると、日本周辺全域が、平年より高い海面水温(赤っぽい色)になっています。
もともと平年より高かった親潮域 A は、さらに温度が高くなっています。

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上:7月25日 下:8月8日

歴史的に見て、これはどれくらい高い海面水温だったのでしょう?

下段の点線で囲まれた領域で、8月前半の海面水温を平均して過去の年と比較すると、1994年、2008年に次いで、今年は3番目の高い温度でした。

このような高い温度は、各地で目撃されているサメや、西日本の赤潮の発生に影響をあたえているかもしれません。
また、これから日本に近づいてくる台風の発達を促進することが懸念されます。



黒潮の流れは?

NEWS WEB の番組で、さかなクンのコメントがありました。

「各サメに適水温があって、海流とともにサメが移動したりする。たとえば黒潮が接岸してきたときは、岸近くにもやってくることがある。シュモクザメは比較的暖かい水温を好むので、暖かい水温とともに移動していることはある。」
 
それでは、黒潮の流れはどうだったのでしょう?

「黒潮親潮ウォッチ」美山透さんの記事によると 
黒潮は再び離岸流路に! – 黒潮親潮ウォッチ


伊豆諸島周辺の8月14日の黒潮の状態(予測)
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黒潮は紀伊半島から南東に流れ、八丈島の南を東に流れています。

黒潮が八丈島の南を通過することから、離岸流路であると判断しています。

ただし、黒潮はその後、北に向かいながら西に一旦戻り、再び三宅島付近で東に向かうという、S字型のカーブの流路をとっており、接岸流路的な要素もあります。

その後は、8月24日の黒潮の予測(下図)のように、S字型の流路は解消されるようです。

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海中に住む生物の電磁気センサー

サメは今年に限らず、当たり前に目撃されるという一方で、東京湾にあらわれたシャチはどうだったのでしょう?

口永良部島で爆発的噴火があった翌日、5月30日、小笠原諸島西方沖でM8.1 の地震が発生しました。

小笠原諸島西方沖の地震では、過去92年間で最大。
震源の深さ682kmは、M8以上の地震では世界最深です。   
 
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東京湾でシャチの群れが目撃されて、「シャチは前代未聞」とニュースになったのは、この小笠原諸島西方沖M8.1 の5日前、5月25日の出来事でした。
大地震前触れか 東京湾にシャチ 関係者も衝撃「聞いたことがない」 (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK


「シャチを含む鯨類は、相模湾の沖にはかなりの数が生息しており、コククジラやセミイルカは時折、東京湾までやってくることがある。ただ、シャチは前代未聞だ。エサを追いかけて入ってきてしまったのだろうか」(横浜・八景島シーパラダイス 大津大氏)


シャチの目撃の5日後に、小笠原諸島西方沖M8.1という、やはり前代未聞の深発地震が発生したことを考えると、イルカやクジラ、シャチ、サメなど海洋生物にそなわる、すぐれた電磁気センサーが海底の何らかの異変を感知したケースと思いたくなります。 

「海中に住む生物は体内に、優れた電磁気センサーを持っているとされる。今回、シャチも地震が起こる前に海の底から伝わってくる磁力をセンサーで事前に感知し、東京湾に現れた可能性はある」
と、武蔵野学院大の島村英紀特任教授はコメントしています。


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