噴火を続ける「西之島」は前代未聞の火山島

相模湾の海っぺリに、長く住んで育ったのですが、何か今までと違うような、ザワザワした感じ。そんな印象を感じ始めたのは、2013年の夏、8月ごろでした。

空気や地面のざわついたような手触りの違いというか、静寂感の消えたような音質の違いというか、また地震が起きたりするのかと思っていました。

2013年は、9月後半からあまり見ないスケールの帯状雲が続いて、出雲地方で不思議な光学現象がありました。
その8日後の、10月26日に、福島沖 M7.1。

このアウターライズ地震のあとも、ザワザワ感は落ち着かない。
そして1ヶ月後の11月20日に、小笠原の西之島の噴火が始まりました。今回の噴火は、およそ40年ぶり。

この噴火のあとも、ザワザワ感は続いています。

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火山の常識をくつがえす島でした・・・

NHKスペシャルの番組を見て、地震と火山は同源というけれど、ここまでのスケールの噴火活動と思っていませんでした。


NHKスペシャル 新島誕生 西之島 ~大地創成の謎に迫る~
2015年8月23日(日) 午後9時00分放送

父島・母島の西130キロ沖にある、小さな小さな無人島。
「西之島」は、丸2日かけて、船でしかたどり着けない場所。

絶海の孤島なので、ほとんど誰も寄りつかない。だから魚影が濃くて、巨大なサメが100匹も群れる。
噴火前は、無数の海鳥が乱舞し、空が見えなくなるほどだったという。

もともとあった旧西ノ島の近くで始まった、40年ぶりの噴火。
島を飲み込んで、なお拡大を続けている。

大量の溶岩を流し続けること、なんと1年半。直径2km、標高150m近くまで大成長した。

マグマ3億トンは日本の火山噴火で最大級。
火山の常識をくつがえす島だという。


ふつう、火山は噴火しても、数日から数週間で終わってしまう。

一年半も溶岩を流す火山はない。 
どういうシステムで、大量の溶岩を流し続けるのか、科学者も分からない。

海底火山が、一度にこれほどの量の溶岩を、噴き出し続けた例は過去になく、火山学の常識を根底からくつがえす現象となっている。




前代未聞の火山は「宝島」

海上にあらわれた西之島はほんの一部。
海の中には、4000m級の巨大火山が隠れている。
その全体を調べることで「海から大陸ができる」というナゾを解くカギが分かるかもしれない。 

研究者にとって、西之島はまさに『宝島』なんだという。

噴火が続くいまだからできる調査をしたいが、島の4km以内は立ち入り禁止。
しかし、島の4km沖に船で到達してそこを基地にできさえすれば、様々な無人調査機を島に遠隔で送り込める。


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そこで、第一線の研究者と、世界有数の技術力を誇る民間企業のエンジニアがプロジェクトに集結。

船から2種の無人ヘリ、無人探査機などを海上・海中・上空へと出動させ、圧倒的な自然のエネルギーを超接近映像で捉え、貴重な科学的データを収集する。

前代未聞の挑戦が始まった・・・


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超接近撮影のために、産業用無人ヘリにハイビジョンの4倍の画質、4Kカメラを搭載。

無人ヘリを船から飛ばすのは初めて。
飛んだ瞬間、風にあおられると船の構造物に当たってしまう。着陸も技が必要。

溶岩海岸、噴火口、夜間飛行、、

西之島が火山の常識をくつがえすような、噴火活動を続けていることにも驚きましたが、火山活動のフォトジェニックさというか、様々の美しさを見せる映像が素晴らしいものでした。 


溶岩海岸。海岸線から白い煙があがっている。
海岸に到達した溶岩が、波をかぶって、蒸気をあげている光景。
島が、じりじりと拡大していく最前線。


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火口はすさまじい勢いの噴煙がうずを巻いている。
噴煙が回転しながら、石を吹き出す。ふきだす岩石は大きいもので3m。
こうした岩石が降り積もり、きれいなお椀状の山ができている。高さ140m。


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夜間飛行の無人ヘリが撮影した、闇のなかで輝く溶岩。

この光景は、圧巻でした。

山の中腹から始まって、岩のすきまから赤い光を明滅させながら、闇の中で、溶岩流は静かに流れていく。
これは、実際の光景をほんとうに見てみたい。

たぶん、闇といっても漆黒の闇でなく、 海の色を反射させたような、コバルトブルーとか、ウルトラマリンを溶かしたような闇の色でしょう。


溶岩は二重構造で流れて、面積をひろげるだけでなく、高さ方向にも成長している。
これほど複雑な溶岩流が観察されたのも、世界初。


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ここから1000kmは遠くない

西之島は、本州から南へおよそ1000kmに位置している。

東京ー博多が1000kmなので、決して遠くない距離と思う。
東日本大震災の前に、霧島の新燃岳(鹿児島)が噴火しているのは、多くの人が指摘している。

今年、2015年5月29日に、鹿児島県の口永良部島の新岳で、爆発的な噴火が発生した。 

その翌日、5月30日に、小笠原諸島西方沖 M8.1 震源の深さ682km の大深発地震が発生。1900年以降に発生した、M8クラス以上の地震では、世界最深となった深発地震だった。

西之島の火山の常識を超えた火山活動、その1年半後に小笠原諸島西方沖 M8.1の大深発地震。

本州から1000kmという決して遠くない距離で、前代未聞の自然活動が起きている。


噴火前、旧西之島にいた鳥たちはどうしているのだろう? 

無人ヘリでカメラを設置。
わずかに残る1ヘクタールの場所で、アオツラカツオドリの子育てを確認。

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西之島の海中カメラ 5mのサメに遭遇

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